新築住宅施工例
設計主旨
3世帯が生活の場を共有するため、どうしたら共有の場が楽しくできるか
3世帯と幅広い大家族が一つの家で楽しむ為、生活の中心は皆が集まりやすい1階となります。そこでLDKは全て1階に配置をしました。
3世帯の大家族が同じ時間に同じ場所に集まる為、大きさはゆとりを持たせ、LDKが一体となった大空間にしています。
又、リビングを南東の日当たり条件の良い場所に、また堀コタツを設置し、家に帰ればいつもここに誰かがいて、皆が集まれる場としました。
堀コタツに入れば家族が集まり、同じテレビが見られる。堀コタツ周りには、畳敷きにすることで畳の暖かさがあり、座布団いらずのにぎやかな家族団らんを想像しながら計画しました。
共有と分離をどのように実現するか
3世帯住宅は、年代も違えば、生活スタイルも異なる家族の集まりなので、どこまでを共有スペースにするか、どこからプライバシーが必要なエリアにするかが難しいところです。今回は「回廊型」のプランで解消しようと考えました。
- 来客時に家に上がってもらいリビングに案内した場合、DKを通らずリビングに案内できます。DKで食事中であってもお客様を案内することができます。逆にリビングでくつろいでいて、DKに案内する場合もリビングを通らない経路があります。
- トイレの位置も建物中央にあり、他部屋を通らずどこの部屋からも短距離で行けます。
- DKや、リビングでくつろいでいる時に、子供が友達を連れてきた場合、玄関からプライベートな空間を通らずにすぐ2階へ行けます。
- また、くつろぎ空間として縁側を設けています。またこの縁側空間は、雨に濡れない物干しスペースにもなる為、2Fのベランダ以外に上がらなくても、ここで洗濯物を干すこともできます。
外観にも重点を置いた間取り
ゆとりがある美しい外観にする為、左右対称の形を意識しました。また、中央の窪み部分を1階から2階までそろえ外壁を最も濃くすることで左右の対称性をより一層際立つように計画をしました。 最も濃い外壁が建物全体をガッシリとし、力強いイメージになり安定性を感じられます。 この力強いイメージだけだと堅苦しい家になってしまうので、丸窓をジグザグに配置し力強さの中に柔らかさが感じられるようにしました。 東側のベランダには、板を横一直線に張ったものを使用しています。このラインが建物に奥行きを生ませます。また、木目調が建物に暖かさを与えています。
丸窓は、階段部分に設置。外部だけではなく、内部からも楽しめます。
玄関を開けると、その季節の花がお出迎え。スポット照明により陰影が生まれ、花をより印象的に演出しています。
今となっては少なくなってきた、本格的な和室。木の暖かさが感じられる部屋となっています。
イメージを共有しながら家づくり
お客様は平面図、立面図だけでは実際の建物のイメージがしにくいものです。そこで打ち合わせ段階で完成イメージ図を作成して、イメージを想像しながら家づくりを行いました。
建物へのこだわり
基礎工事
軟弱地盤に強い「べた基礎」を採用。建物荷重を面で支えるため、建物が傾きにくい工法です。コンクリートの品質を確認。硬さ・空気量・塩分濃度・温度・強度の試験を行い、合格したコンクリートで施工しています。
建物構造
軽くて強い構造であり建物構造として非常に優れた木造ですが、弱点とされているのが腐りと接合部分です。腐りは水分をカットすれば克服できます。接合部分は、埋め込み金物で補強しているWINWOOD工法。一般的な金物補強の5倍の強さをもちます。木造の弱点とされているこの2点を克服できるつくりで建てています。
断熱・屋根外壁通気・窓
断熱材は、通常の厚みの2倍の物を使用しています。通気は、外壁下部から屋根を通り、屋根の一番高いところから熱気を排出します。窓は、断熱性の高いペアガラスを使用。この3点により、断熱性能の高い建物になっています。
木工事
木工事中の写真です。当社自慢の自社大工によるこだわり施工です。当社で教育した大工が当社の仕様にて工事をする為、きめ細かい工事まで行き届きます。 柱や梁は、1本1本全て強度試験を行っていて、JAS規格に合格したもののみで建てています。 図面上の建物が実物になってくるので、ここで外壁のサンプル等を取り寄せ、現場で再打ち合わせ。 設計段階だけでなく、工事中も何度も納得いくまで打ち合わせをします。
防音対策
2世帯住宅で問題になるのが上下階の騒音。2世帯では、生活のリズムが違うので、1階で寝ているのに2でドタバタ。よくある話です。せっかくの新築住宅で家族の仲が悪くなっては非常に残念です。 そこで2階の床には防音性を考慮して床下地材の厚みが通常の2倍のものを使用し、その上に1cmにもなる厚手の防音マット(写真の黒いもの)を敷き、2階の物音が1階へ伝わるのを防いでいます。